県道52号に戻ってさらに歩く。商店の店先に提灯が架けられている。八坂神社の祭が近いらしい。そしてこのあたりにもせんべい屋さんがちらほら。自宅の軒先で焼いてるような店もあって、草加より庶民的な感じ。1枚60円か。「草加よりこっちのほうが美味しいよ!」と店のおばちゃん。
北越谷駅を過ぎ、宮内庁の埼玉鴨場の前を通ってさらに北上。「下間久里の獅子舞」のポスターを見かけた。埼玉県指定無形民俗文化財だそうだ。ただしこの獅子舞は江戸の獅子舞とはずいぶ ん違う。二人一組ではなく、ひとりで獅子頭をつけ、腰のあたり締め太鼓を構え、立って舞うらしい。つまり岩手や宮城の鹿踊りに近い。すでに東北の入口に来てるのかも…という気がしてきた。
「だるま産業」や「だるま弁当」の看板もある。産地なのかなあ。武里駅近くまで来ると、今度は「やったり踊り」の立て看板。こちらも埼玉県無形文化財だそうだ。しかも明日が「やったり踊り」のまさに本番らしく、交通規制の案内がされている。ちょっと見たかったな。気になったので、あとでググってみたら「念仏踊りの一種で、隣村との争いに勝利した喜びの踊りが由来」らしい。「ヤッタリ ヤッタリ ヤッタリナー」というかけ声とともに踊る…え? それって往年の傑作アニメ『ヤッターマン』勝利のポーズのルーツちゃうん?「ヤッター!ヤッター!ヤッターマーン」ってやつ…と、半ば冗談のつもりでYouTubeで確かめてみたら、ガニ股で踊るところまで一緒だった。マジかよ。
歩き過ぎたせいか、不意にクラっとし始めた。まずい。これが世に言う熱射病ってやつですかね。あわてて県道沿いのガストに緊急避難する。ちなみにこの日、埼玉の最高気温36℃。夏の外歩きは気をつけないとね…。
そんなこんなで春日部駅に到着。ここにも神輿が並んでいる。埼玉が誇る伝統文化にうち震えた一日であった。