カテゴリー別アーカイブ: 東京都

2013年5月18日(土)梅島〜草加

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足立区に入り、梅島駅前を過ぎたあたりで「ベルモント公園」という看板をみつけた。オーストラリア・ベルモント市との友好親善のシンボルとして作られた公園なのね。なるほどそれで芝生に羊さんの銅像が芝生のあちこちにいるわけか。園内はちょうど薔薇が満開。ホッとひと息つく。同時に「公園の放射線対策」と書かれた張り紙に、否応なくいまの日本を感じたりもする。

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梅島から竹の塚に進むにつれ、昭和な空気がただよってきた。たとえば食堂の店先では、食品サンプルのナポリタンを巻き付けたフォークが宙に浮いてる。ホビーショップにはガンプラと鉄道模型の箱が積み上がっている。駄菓子屋「ひばり」の名物は「元祖たこせん」だそうだ。たこ焼きをえびせんで挟んだもの。食べてみた。たこ焼きとえびせんの味がした。駄菓子屋の店先にはベンチがあって、小学生がたむろしてる。和むわあ。

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きわめつけは町の本屋さん。店頭の日覆いは年季が入りまくり、日に焼けて変色してるばかりかかなり大胆に破れてる。店番してるのはお約束どおり、ちんまりしたおばあちゃん。雑誌がいくつか並んでるほかは、店の半分がエロ本…。思わず『別マ』最新号を買って、ばあちゃんと立ち話。息子夫婦の話だのなんだの、結果的に小一時間、ばあちゃんの四方山話を聞くことになったのであった。気がつけば、傾きかけた黄色い日差しが並んだ本のうえに差し込んできてら。このまま話し込んでるわけにもいかない。立ち去るのがなんだか申しわけない気持ちになりつつも店を出た。

本屋さんからしばらく行ったあたりで、リヤカーを水洗いしてるおじさんに会う。

え、これってもしかして魚の行商ですか? 「最近はこの辺でもみんなスーパーに行くけどね。そこはそれ、買ってくれる人はいるもんだよ」にやっと笑う。そうなのか。リヤカーの魚屋さんって、幼稚園のころに見かけたきりだったわ。懐かしい。

いい加減、足もつらくなってきた。草加駅まできたところで日が暮れた。よし、とりあえず埼玉県に入ったぞ。

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2013年5月18日(土)南千住〜荒川

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この日、まずは地下鉄で南千住駅へ。すぐ隣りにはJR貨物の隅田川駅というのがある。プラットホームのない、貨物専用のターミナル。歩道橋の上からその全景が見渡せるんだけど、なんとも男子心くすぐられまくる景色だ。トレンチコート着て引き込み線の上を走って、70年代刑事ドラマごっこしたいわ。

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ぷらぷら行くと「『巨人のお酒』が買えるお店です」という張り紙が目についた。町田屋森谷酒店で買えるその酒は、巨人軍公認清酒「不滅の巨人」。店で扱っているのは東京でも珍しいとか。ほほう。店の近くには素盞雄神社・天王祭のポスターがあった。「ここの神輿は横棒がなくてが花棒二本だけだからね! 三社祭よりすごいよ!」店のおばちゃんが力説してくれる。

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さすが下町、食堂の表に貼られたメニューも安い。もつ煮込み170円。サバ味噌煮210円かあ。腹へってきたな、と思いながら千住大橋を渡ると、そこに「奥の細道 矢立初めの地」という石碑がある。芭蕉先輩と曽良先輩はここで船を降りて歩きはじめたのね。そっか、私も深川あたりからここまで水上バスに乗ってくりゃあよかった…。

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芭蕉さんはここで「前途三千里のおもひ胸にふさがりて、幻のちまたに離別の泪をそそぐ」と記したわけですが、胸より腹が減ってたので足立市場内の食堂へ。

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鶏の生姜焼き定食でしっかり腹ごしらえして、いよいよ日光街道の入口。このあたりは昔からやっちゃ場(青物市場)だったとか。観光案内板なども出ていて、『歴史街道』とか好きそうなおじさんたちが散策に来てる。「千住宿歴史プチテラス」という案内所では、日光街道を歩いたことがあるというガイド役のおじさんが「千住、草加、越ヶ谷、粕壁…」宿場の名をさらさらと暗唱してくれました。さらにまっつぐ歩きますってえと、やがて北千住。「千住 旅の駅」という休憩所にはかつての「おばけ煙突」の写真が飾ってある。『こち亀』にも登場した、千住火力発電所の煙突ですな。

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「かどや」で買った槍かけだんごを食べつつさらに行くと、土手に突き当たる。これぞ『金八先生』オープニングで有名になった荒川河川敷。くれーなずむー♪と口ずさみながら千住新橋を渡っていたら警官がチャリで追い越していくもんだから、大森巡査かと思った。

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2013年5月17日(金)両国〜南千住

両国国技館が見えてきた。

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五月場所開催中で、勘亭流の文字も鮮やかなのぼりがはためいている。さらに行くと、横網町公園。ここには東京都慰霊堂がある。三重塔に関東大震災の遭難者、東京大空襲などの犠牲者のご遺骨が安置されている。

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講堂に入り、手を合わせた。

公園の奥には復興記念館がある。館内はしん、としていた。ケースに陳列されているのは、大震災による猛火や熱風で溶けた金属類。「デマにまどわされないように」という警視庁の張り紙も展示してある。そもそも横網町公園は陸軍被服廠の跡地で、火災旋風が起こって多くの犠牲が出たところだ。

外に出ると、講堂の入口あたりに小学生男子がたむろしてる。近所の子らかな。遊戯王カードやってるのもいるし、かばんを放り出して鬼ごっこしてる奴らもいる。なんだかタイムマシンでいきなり現代に戻って来たような気分だ。

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向島の桜橋を渡る。川の両岸にはブルーシートハウスが並び、その向こうにスカイツリーがそびえている。流れに沿って大きくカーブしながらひたすら歩き、南千住に着いた。ふう。芭蕉さんならここで一句詠むとこだけど、無理…足が棒。地下鉄で帰ったのでありました。

2013年5月17日(金)深川

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いい天気だ。

隅田川の遊歩道に立って、上流の方を眺める。清洲橋の青い橋梁の向こうにスカイツリーが見えてる。

このあたりでは川はだいたい南西方向に流れているから、さかのぼっていけばその逆、つまり北東に向かうことになる。この延長線上に奥の細道が、東北があるんだな。

松尾芭蕉が「奥の細道」に旅立ったのは元禄2年(1869年)旧暦の3月27日、今の暦では5月16日らしい。それから144年と1日後の2013年5月17日(金)、俺も北に向かって出発することにした。芭蕉さんを見習って徒歩で。ちなみに芭蕉先輩は当時46歳、俺44歳。年齢的にもあまり変わんないのか。そうか。

もちろん一気に東北までは行けないのでちょっとずつね。行けるところまで行って電車で戻って来て、次は前回のゴール地点まで電車で行って、そこからまた歩く…という方法でいくつもり。

そんなんで果たしてどれくらい日数かかるのか? いろいろ考えなきゃいけないこともあるような気がしたが、とりあえず勢いでスタートすることにしよう。まずはこのプロジェクトのタイトル考えた。

「俺の細道」

どや。芭蕉さんのルートを一応辿っていくつもりだけど、それ以外にも行きたいとこあるし、私の性格的に脇道それると思うから、あくまで「俺の」細道。ユルい細道。

江東区の端っこにある自宅を出て、まずは深川の芭蕉庵跡へ向かう。ここには隅田川に面したちいさな広場があって、芭蕉さんの座像がある。旅立ちの前に先輩に挨拶しとかないとね。台座が回転式で、昼間は岸のほう向いてるけど夜には隅田川を向いてライトアップされるらしい。なにそれ。メカ芭蕉?

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芭蕉庵跡のすぐとなりにはブックカフェ「そら庵」。ここのカレーやコーヒーが好きでしょっちゅうお世話になっているのだ。以前にここでポエトリーリーディング(詩の朗読)ライブをさせてもらったこともある。ということで

「いってきます!」

そら庵の斜め前にあるのが芭蕉稲荷。赤いのぼりがはためいている。しばらく歩くと芭蕉記念館があり「芭蕉そば」という立ち食いの店がある。この辺はなんでも芭蕉がらみだなあ。

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そばで腹ごしらえしたあと、清澄通りに出て南下する。仙台堀川にかかる橋のたもとにあるのが採荼庵。『奥の細道』の序文に「杉風が別墅」って出てくるところ。つまり旅の出発地だね。

ここにも芭蕉像がある。しかもなぜか縁側に腰かけていて、隣が空いてる。

「ここに座って一服していかんかね」

と言わんばかりじゃないか。じゃ、遠慮なく。そこにタイミングよく通りがかった深川ガールがいたんで、芭蕉先輩とツーショット写真を撮ってもらう。

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森下の要津寺で句碑をみて、それから隅田川沿いをひたすら北上。川沿いの遊歩道を歩くと、川面がキラッキラしてて、キラッキラのしぶきをあげて屋形船や水上バスが行き交う。今も昔も東京は水の都。

実にのどかである。

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