11/21(金)東京発 南相馬・いわき行き

南相馬市・いわき市

11/21〜23
初めて記事を書かせていただきます、佐伯です。
今回上記の期間で田代ジャパンとして、福島県南相馬市・いわき市でのボランティア活動に参加させていただきました。
ボランティア活動自体初参加だったのですが、私以外の皆さんが経験者ということもあり、変に緊張したり不安になったりすることもなく、皆さんのおかげでとても有意義な3日間を過ごすことができました。
活動について、というよりは私自身が感じたり思ったことについて書かせていただこうと思います。

私は福島県に特別な思いがあったわけでも、被災時その場にいたわけでもありません。
それでもこの活動に参加したいと思ったのは、誰かのために何かをしたいという気持ちと、当時仙台にいた友人に何もしてあげられなかった罪悪感、そして不謹慎かもしれませんが、純粋に現地は今どうなっているのかというのを知りたいという好奇心があったからだと思います。
今回ご一緒させていただいて、現地に足を踏み入れ実際に自らの目で物事を見ることで、知らなかった被災地の現状を色々と知る事ができました。

正直、私はこの活動に参加させていただく前までは、復興がもっと進んでいるものと考えていました。
現に「ボランティア活動に参加してきます」という旨を周囲の人に伝えたところ、『なぜ今更そんなところへ?もうほとんど復興は終わっているんじゃないのか?』と言われたりもしました。
私もそう思っていたのは事実で、まだ完全には終わっていないにしても、被災者の方々の生活はそれなりに取り戻せているものだと勝手に思い込んでいました。

しかし、実際はまったく異なっていました。

制限された区域、被災した当時の状態を維持したままの場所、人気のなくなってしまった家屋、そして被災された方々が暮らしている仮設住宅が、今もなお残されていました。
それらを見た時、自分は本当に何も知らなかったのだということを思い知らされました。
まだまだやれること、そしてやるべきことがたくさんあるのだということを痛感しました。

現地での活動は、主に農業に関わることでした。
南相馬市では事業再開の為のビニールハウスの片付けのお手伝いを、いわき市ではオーガニックコットンの摘み取りのお手伝いをさせていただきました。
屈みながらする作業が多く、普段身体を動かさないだけに節々が痛くなりましたが、全身を使って作業をすることはとても気持ちの良いことに思えました。
また作業の合間にお話を聞いていく中で、どちらの農家の方々もとても前向きに今後のことを考えていらっしゃっていて、震災に負けないという強い意思を感じました。
その一方でやはり風評被害のことを気にされていることが伺える場面もあり、なんとも言えない気持ちになることもありました。

しかしそんな中でも共通して言えることは、やはり人との繋がりを大切にされているということ。
『私たち家族だけではここまでできなかった』、『こうやって色々な方々と出会えることが嬉しい』、そんな言葉を聞いた時、本当にこの活動に参加できてよかったと思いました。
それだけで疲れは吹き飛びましたし、人の温かさや優しい気持ちを真っ直ぐに感じることができました。

また活動後の反省会でも、私は参加して良かったと思うことがありました。
今回一緒に活動された皆さんから色々なお話を聞く事ができたことです。
今までボランティア活動をされてきた中で、どんなことを考えたり、何を思ったりしたのか、また震災当時何をしていたのか等、様々なお話を聞く事ができました。
中でも私が特に印象に残ったお話は、「人との距離感」についてでした。
被災者の方々に共感しすぎない、近い存在になりすぎない、期待させすぎるのは良くない。
普段人の為に色々と頑張り過ぎてしまう自分にとっては耳の痛い話でした。
自分に出来ることもあれば、当然出来ないこともある。
その線引きを上手にして、他人と付き合っていくことが自分には必要だなと考えさせられました。

本当にこの3日間は人として色々と考えたり、思ったり、学ぶ事の多い濃い時間でした。
心から今回の活動に参加することができて良かったと思います。
今回初参加させていただきましたが、また機会があれば次回も是非参加させていただきたいです。

まだまだ被災地には課題がたくさん残されています。
そして私たちが費やす事の出来る時間は限られています。
けれど、私たちに出来る事はたくさんあります。
少しずつかもしれませんが、微力ながら手助けになっていけたらいい、今はそう思っています。

1121田代ジャパン_集合写真

文章:佐伯亜美(大学院1年生)
写真:田代直樹

【ツアーについて】
●日時:11/21(金)23:30~11/23(日)21:00〔1泊3日〕
●行先:福島県南相馬市・いわき市
●人数:9名
●活動:
11/22(土)09:00~16:00 南相馬ボランティア活動センター(小高区)
-ハウス内の草刈・ポットと土の分別作業・清掃
11/23(日)10:00~14:30 ふくしまオーガニックコットンプロジェクト(いわきおてんとSUN企業組合)
-綿花の収穫
●宿泊:農家民宿 森のふるさと(南相馬)
●詳細:
21日金曜の夜、日産レンタカーを出発し兼任ドライバー3名体制で南相馬へ。今年9月に6号線が開通したが、二本松を経由し迂回して北上。朝6:00頃道の駅南相馬に到着。仮眠・着替えののちコンビニで朝食、昼食の調達をしボランティアセンターへ。1日目の作業内容は、花を栽培していた農家さんの事業再開にむけてのハウス内の片づけ。
土の入ったポットが散らばって地面を覆い尽くすほどのところ、午前はポットと土を分別する作業。1つ目のハウスが終わり、午後はほぼ手つかずのハウスへ。生い茂る雑草や蔓を切って運びだし、更にそのしたのポットの分別作業。
1日で終わったのはハウス2棟分だったが、依頼主のご家族の方々といっしょになって黙々と作業し継続案件のところ完了した。
作業報告をし、資材を片づけボランティアセンターを出発。
「原町ユッサ」で入浴し、宿泊先の「森のふるさと」へ。手作りのお料理をたくさんいただいて、その日は就寝。
2日目は早朝に宿泊先を出発し、常磐小野を経由していわき市へ南下。
担当者の方と合流し、活動場所の綿花畑へ。畑の持ち主のかたといっしょに綿花を収穫した。
お昼はご自宅におじゃまし、もちよったものと温かいお味噌汁を頂き休憩。午後も収穫をつづけ、12名で13㎏の綿を収穫した。
活動を切り上げ、道の駅四倉で着替え等済まし帰路へ。
三連休中日ということで、渋滞を乗り越え21:00頃無事日産レンタカーに到着した。