【コラム】もしものデザイン

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こんばんは。
田代ジャパンの千原です。

今日はとある展示会に足を運びました。

基本 CMYK
もしもの時のデザイン「災害時に役に立つ物や心のデザイン展」
@印刷博物館 P&Pギャラリー

公益社団法人日本パッケージデザイン協会主催のこの展示会、
”もしものとき、デザインに何ができるか?”
というテーマで衣・食・住・心の観点でデザイナーがつくりだした
防災グッズや災害対応グッズが展示されています。

ふだん、日常生活における商品の開発に取り組む感性を活かし
デザイナーの方々がいわゆる非日常、日常の断絶をどのように捉え
デザインに反映させるかが肝になっています。

東日本大震災に続き、各地で発生した水害や雪害に竜巻、
近頃では火山噴火と、自然災害の多いこの日本で暮らしていくうえで
「防災」は各自で日常生活に根付かせていかなければならないものの
一つであると察します。

しかし察するだけで終わりがちの、終わらせてはいけないのが
防災なんだと今回の展示会を通して実感しました。

例えば、
▼笛付きの鍵。
緊急時に助けを呼ぶ際に必要になる笛と
ふだん誰もが家を出入りするときに必要とする鍵。

非日常を日常の継続性に取り込むことで
自然と意識するのではないかという考えのもと考案されたそうです。

▼救援物資用のダンボール
箱には「衣」「食」「生」の文字とそれぞれを表すわかりやすい
模様があしらわれており、一見しただけで中に何が入っているか
わかるようなデザインになっていました。

これは東日本大震災直後、支援物資の中身を把握するのが大変だったという
経験から生み出されたものだそうです。

更には、
▼メッセージティッシュ
名前だけだと何に役立つのかまったくわかりませんが、
ずらっと並んだこれらには考えさせられました。
このアイテムは海外の方向け。

地震発生時の基本的な対応「テーブルの下にもぐる」「火気の初期消火」「避難所へ避難」
の3ステップが絵と各国語でティッシュのパッケージに施されています。
その数11カ国分。
印象的だったのは、「ご存知かとは思いますが、日本は災害の多い国です」という
最初の一文。

緊急災害時、あらゆる人にとって有効な防災でなくてはならないことを
このアイテムを通して思い直しました。

「災害時に役立つ物や心のデザイン」
ここで思い出すのがこの展示会の題名。

「心のデザイン」
これこそ防災の本意なのではないかと思います。
心の準備、日頃からの意識こそが
自らが災害にあったとき、自分の身を少しでも守り
他の誰かが災害にあってしまったとき、とっさに動く原動力
になるのではないかと思います。

そんな、少し忘れがちなことを
思い出させてくれるグッズと展示と、でした。

また、
デザイン性や機能性に観点をおいた展示の他にも、
災害時に役に立つスマートホンアプリや
身近なものが意外と役にたつ事例
防災グッズセットの紹介や
思わず食べたくなってしまう非常食など
様々のコンテンツがありました。

11月24日までの会期中は無料で入ることができます。
JR飯田橋駅より徒歩10分ほどの距離。
この機会に足を運ばれることを、おすすめします。

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