2013年11月6日(木)間々田〜小山

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さらに歩いて間々田宿に着いた。ここには「逢いの榎」というのがあって、日光街道のちょうど中間点にあたる…と、教えてくれたのは佐山酒店のおばちゃん。店は築百年だそうで、木製の看板も古めかしい。店頭に飾られた酒樽には「男の酒 じゃまつり」とある。何やら力強いけど、じゃまつりって? 聞けば四百年前から伝わる間々田の奇祭。ジャガマイタともいうらしい。毎年5月5日、ワラや竹、シダなどで作った全長15メートルを超える巨大な蛇(じゃ)が七体、町中を練り歩くんだそうだ。その時のかけ声が「ジャーガマイタ、ジャガマイタ」。写真を見せてもらったけど、蛇の風貌は日本というより東南アジアな感じだ。祭の時には佐山酒店も樽酒をふるまうらしい。こりゃ実際に見てみたいもんだ。

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ジャガマイタが行われるという間々田八幡宮に行ってみた。鳥居をくぐって石段をくだって行くと、大きな池がある。境内で落ち葉を掃いていたおばちゃんに聞くと、ジャガマイタの時には担ぎ手もろとも蛇が池に飛び込むらしい。迫力ありそう。おばちゃん喋りだしたら止まらないらしく「こっちには鴨が」「あっちに鯉が」「猫が」とやたら案内してくれる。ありがとう!なんか運気が上がりそうだ。


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間々田八幡の先は千田塚。国道から一本入った道を歩く。このあたりも柿の木が多く、頭上から甘い香りが降ってくるようだ。

「柿の当たり年だからね、今年は。でもみんな食べないから勿体ないよ。みんな鳥が食べちゃう」と教えてくれたのは道沿いの家のおじいちゃん。ずっと千田塚に住んでいるらしい。「この辺もずいぶん開けたよ…うちと向かいの家と、二軒しかなかったのに…古墳もあったけど畑にしちゃった。これからどうなるのやら…」東京者の私には、それでもやっぱりのどかに見えるのだけど。

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マンホールのふたを交換している人たちがいた。ふたをよく見ると、三頭の馬がデザインされたモダンなデザイン。珍しいですね。「馬頭観音からきているのかな」と、作業着姿の職員さんが自説を披露してくれる。「馬ってつく土地は馬喰とか馬追とか、馬に関係ある人たちが住んだ場所だね」どうやら地理歴史好きらしい。そしてこの方も喋りだすと止まらない系。「住宅地に雨水管なんか通す時は、逆流しないようにしてね」「だいたいどんな管でも三パーセントの傾斜をつけるんだ」地下水道トリビアまで教えてくれた。

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国道4号線を離れて、住宅地のなかを歩いていたら道に迷った。それこそ江戸時代の旅人も通ったかと思うような、雑木林の中の舗装されていない道をぐねぐね歩き、ひょいと出たところは小山総合公園だった。公園を横切り、バイパスの橋の上から思川を眺める。いつのまにか日は傾き、川の中州あたりにサギが一羽、シルエットで佇んでいる。

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16時過ぎ、小山駅に着いた。江東区深川から約70キロ。福島市まで約170キロ。石巻まで約280キロ…先は長い! 東北めざして俺の細道は続くのであった。

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