この日、まずは地下鉄で南千住駅へ。すぐ隣りにはJR貨物の隅田川駅というのがある。プラットホームのない、貨物専用のターミナル。歩道橋の上からその全景が見渡せるんだけど、なんとも男子心くすぐられまくる景色だ。トレンチコート着て引き込み線の上を走って、70年代刑事ドラマごっこしたいわ。
ぷらぷら行くと「『巨人のお酒』が買えるお店です」という張り紙が目についた。町田屋森谷酒店で買えるその酒は、巨人軍公認清酒「不滅の巨人」。店で扱っているのは東京でも珍しいとか。ほほう。店の近くには素盞雄神社・天王祭のポスターがあった。「ここの神輿は横棒がなくてが花棒二本だけだからね! 三社祭よりすごいよ!」店のおばちゃんが力説してくれる。
さすが下町、食堂の表に貼られたメニューも安い。もつ煮込み170円。サバ味噌煮210円かあ。腹へってきたな、と思いながら千住大橋を渡ると、そこに「奥の細道 矢立初めの地」という石碑がある。芭蕉先輩と曽良先輩はここで船を降りて歩きはじめたのね。そっか、私も深川あたりからここまで水上バスに乗ってくりゃあよかった…。
芭蕉さんはここで「前途三千里のおもひ胸にふさがりて、幻のちまたに離別の泪をそそぐ」と記したわけですが、胸より腹が減ってたので足立市場内の食堂へ。
鶏の生姜焼き定食でしっかり腹ごしらえして、いよいよ日光街道の入口。このあたりは昔からやっちゃ場(青物市場)だったとか。観光案内板なども出ていて、『歴史街道』とか好きそうなおじさんたちが散策に来てる。「千住宿歴史プチテラス」という案内所では、日光街道を歩いたことがあるというガイド役のおじさんが「千住、草加、越ヶ谷、粕壁…」宿場の名をさらさらと暗唱してくれました。さらにまっつぐ歩きますってえと、やがて北千住。「千住 旅の駅」という休憩所にはかつての「おばけ煙突」の写真が飾ってある。『こち亀』にも登場した、千住火力発電所の煙突ですな。
「かどや」で買った槍かけだんごを食べつつさらに行くと、土手に突き当たる。これぞ『金八先生』オープニングで有名になった荒川河川敷。くれーなずむー♪と口ずさみながら千住新橋を渡っていたら警官がチャリで追い越していくもんだから、大森巡査かと思った。